朝井まかて「銀の猫」

朝井まかて「銀の猫」
江戸時代の介護の小説である。
主人公は離婚歴のある25歳のお咲。
毒親である母のせいで借金を抱え、その返済と生活のために介抱人という割のいい仕事を、口入屋を通して請け負っている。

介護は現代日本人が人ごとではなく、いずれは直面するだろうとても身近な問題だなのだが小説では舞台を江戸時代にもっていく設定が巧みである。

登場してくる老人たちは曲(くせ)者で、個性豊かである。(この人物は誰にやらせたらいいかなあなどとドラマのキャスティングまでしてしまう)
また周囲の人物たちも等身大で描かれている。
口入屋の夫婦は儲(もう)け話に貪欲で、利にさとい。だからといって人情がまるでないわけでもない。
一筋縄でいかない人たちをお咲は心から介抱するので、その良さを伝え聞いて口入屋へ指名して来るほどである。

やっとの思いで稼いだ金をくすねて平気な母親に、「おっかさん、お願いだからいなくなって。あたしの前から消えて」と時に願わずにいられぬ切実さの中で生きている主人公に「ああ、無理もない」と共感するのである。

望まれて嫁いだ先で舅だけは心を通わせることが出来た。
母親が金をせびりに来ていたことが分かって離縁されたときに舅がくれた小さな銀の猫。
それを懐に入れて持ち歩き、堪えなければいけない時などにギュッと握りしめる。

それがこの本の題名になっているのである。

オール読物に連載された8遍をまとめたこの本。
絶対にお勧めできる。


ずっと前にお絵描きした七夕飾り。
Word絵たなばたまつり

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