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「かぞくのくに」とヤン・ヨンヒ監督

「かぞくのくに」
ヤン・ヨンヒ監督による第3作。ヤン監督が自身の実体験を基に書き起こしたフィクション映画で、北朝鮮で暮らす家族を想い、脚本・監督した作品だそうだ。
かぞくのくに2

かぞくのくに1

北朝鮮から病気治療のため一時帰国した兄を迎えた妹を演じているのは安藤サクラ。
これが実にいいと思った。
検索したら奥田瑛二の娘で柄本佑(柄本明の息子)と夫婦だそうだ。

映画そのものは北朝鮮への帰還事業という事を知らないと訳が分からない。
さまざまな理由で日本へ来ていた韓国人(ほとんどが南出身)に「北朝鮮へ帰還しよう」という運動が朝鮮総連の掛け声で始まり、59年から84年までの間に9万人以上の人が日本から北朝鮮へと渡ったのである。(日本人の妻たちもいた)
朝鮮戦争が1953年に休戦となったのち、復興が遅れた韓国より北朝鮮の方が優位に立っていたのである。
「北朝鮮は素晴らしい国だ」など宣伝文句に惹かれたり、日本での差別や貧困から逃れるためもあっただろう。
赤十字が仲立ちするという事業だったようだ。

映画のヤン・ヨンヒ家は父親が朝鮮総連の幹部で、3人の息子を北朝鮮へ送り出している。
思想的にそうせざるを得なかったのかは分からないが幼いヤン・ヨンヒだけは手元に残したのである。

息子たちも向こうではそれなりの生活をしておればこそ、病気治療で来日する事が出来たのだがずっと監視付きであり、病気を治せないうちに突然帰国を命じられたりする。

その監視員に妹が「あんたも、あんたの国も大嫌いだ!」となじる場面がある。
それを黙って聞いていた監視員が静かに「お兄さんも私もあんたの嫌いな国へ帰らなくちゃならないし、そこで生きてかなくちゃならないんだ」と答えるシーンが印象的だった。

突然の帰国命令にショックを受けながらも母親がした事は、息子用に衣服を新調しただけでなく、監視員にも一揃いのスーツやその家族のためのお土産まで用意するのである。
「日本へ来た人に何もなしでは帰せないでしょう」と言って・・・

帰国のために車に乗り込もうとする兄の手を掴んで離さない妹。
離そうとしても離そうとしても離さない妹。
台詞はなにもないし、妹も後ろ姿しか捉えてないがその切ない気持が十二分の伝わる別れの演出だった。

この映画の監督ヤン・ヨンヒを取材したのドキュメンタリー番組も見た。



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こんなこともありき

こんなこともあったのですね。

少しだけ検索しました。

nekoさんはこんな長い文章を打たれたのですね。
内容がよくまとめられていて、わかりやすかったです。

Re: こんなこともありき

みよさん
北朝鮮へ渡った家族のために、今でも日本にいる家族がお金や物資を送っているのですね。

お隣の国の人たちが民族は同じなのに敵対するのは誠に切ないことです。
本国においては勿論、日本に住んでいる人もそうなのですね。

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Author:neko
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