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朝井まかて「悪玉伝」

朝井まかて「悪玉伝」

どんな話か全く知らず、朝井まかての新刊というだけでリクエストした本だったが、これが面白い。

後から調べれば本当にあった話(あちこちに裁判の仕置きが残っている)

大阪の薪商店の跡継ぎ云々で訴えられた吉兵衛は大阪で判決を貰って(勝訴)いたのに、相手方(出て行ってしまった兄の養子)が江戸の目安箱へ訴え、それが吉宗の目に留まり・・・
御庭番まで使われ調べられたのは懇意にしている泉州大廻船問屋の次男坊がその訴人であったからか。

大阪での取り調べや判決を下した役人もお咎めをうける。
「贈賄」だといわれると「ずっと行ってきているご挨拶です」と、大阪で逮捕され江戸送りになり、大牢に入れられても頑張って訴状や取り調べに否と言い続ける。

商人の跡目相続から始まった騒動は、町人だけのみならず武士階級に飛び火し、大阪だけではなく江戸の役人までお役御免などの騒動となった。

吉兵衛なる男が登場する最初のシーンから引きずり込まれた。
寺社奉行になった(されてしまった)大岡越前。
町奉行から閑職の寺社奉行に左遷され、うつうつと面白くない越前守は老齢になって痔も歯も悪くなっている。
吉宗はぼたんの花が好きで、老中を介して泉州の唐金屋を贔屓にする。
甘藷先生青木昆陽も登場。

大牢での描写もドキドキするし、子供のような歳の後添いは島原の禿を10歳の時に500両で引かせ、6年待って嫁にしたおなごである。
その妻女が育てていたのも牡丹で、何もかもなくした吉兵衛に「銀子ならおます。七百両」
吉宗と唐金屋で話題になっていた青みがかった白牡丹。
「何や、泉州のぼたん好きの人が買うてくれたそうや」

本の表紙も牡丹である。

あまりに面白くて、あっという間にお終いまで来てしまったが、もう一度最初から読み直していいと思う本であった。
朝井まかて 「悪玉伝」


今日の脳トレ&運動は「ステップ」50分。

必死に先生のリードに集中し、体を動かした。○だった。

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余裕しゃくしゃく

nekoさんは色々やられていてその上同じ本を2回も読みたいとおっしゃる。
どこにそんなに時間がおありなんでしょう。
誰かの時間をお買いになる?

江戸時代のことまで調べて作家さんもご苦労なことですね。

nekoさんの書かれたものなら読んでみたいです。
その節はよろしくお願いします。

Re: 余裕しゃくしゃく

まめ子さん おはようございます。

> 誰かの時間をお買いになる?

1時間100円で買っていますよ。

> 江戸時代のことまで調べて作家さんもご苦労なことですね。

作家の方たちは資料を揃えて読み込んで、それを自分の中で反芻して自分の文にされる。
すごい時間を使われて書かれた本だと思うとあだやおろそかには出来ませんね。

この本も何年も温めて来られたものらしいです。

No title

おはよう御座います。

題は難しそうで内容は面白そう・・・本当にあったお話だとか、読んでみたいですね。

Re: No title

いもこさん  おはよう御座います。

> 題は難しそうで内容は面白そう・・・本当にあったお話だとか、読んでみたいですね。

お裁きでは全く悪い奴だと言われている吉兵衛の心情を描かれているので面白いです。
朝井まかてさんは「眩くらら」で北斎の娘を書いてよかったし、介抱人の女を描いた「銀の猫」も魅力的でした。

”悪玉”伝

私も、朝井まかてさんは、無条件に予約する作家です。

自身の身代を潰しそうになっているのに
(それを隠すためもあり)放蕩生活。

大阪と江戸で”袖の下”の感覚が違い、
意のままにならない、江戸での牢屋生活。

木津屋吉兵衛。
不正に辰巳屋跡目を継いだ"悪玉”だったのか。
真実は、膨らみ闇なり。

Re: ”悪玉”伝

> 私も、朝井まかてさんは、無条件に予約する作家です。
>
> 自身の身代を潰しそうになっているのに
> (それを隠すためもあり)放蕩生活。
>
> 大阪と江戸で”袖の下”の感覚が違い、
> 意のままにならない、江戸での牢屋生活。
>
> 木津屋吉兵衛。
> 不正に辰巳屋跡目を継いだ"悪玉”だったのか。
> 真実は、膨らみ闇なり。

作家というのはこういう資料から自分の思ったことを書いたりするのだと感心します。
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